Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

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一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.442 会社は変われる!

[2019-09-09]

 毎朝5:30のシナとの散歩の時に、コンクリートの割れ目から芽を出し、みごとに咲いている一輪の白百合を見つけたので、思わずパチリ!
 近くで白百合を見かけたことはないので、おそらくどこからか風で種が運ばれてきて、ここで咲いたのでしょう。「ど根性白百合」の逞しさに敬服です。
 この「ど根性白百合」と同じように逞しい会社に招かれ、講演をさせていただきました。昭島市に本社がある日本電子です。
 日本電子は知る人ぞ知るハイテク企業。世界一の電子顕微鏡メーカーとして知られています。
 ナノメートル単位のモノが見える、原子の数まで特定できるという高性能の分析機器の開発・製造で、科学技術の発展に貢献している会社です。
 JEOLというブランドは世界中の科学者、研究者に知れ渡っています。この会社の電子顕微鏡がなければノーベル賞はとれないと言われるほど、素晴らしい技術を持つ会社です。何人ものノーベル賞受賞者たちがJEOLを訪れています。
 しかし、「優れた技術」を持つことが、そのまま「優れた経営」とはなりません。
 私がこの会社に最初に招かれて講演をさせていただいたのは、11年も前の2008年のことでした。
 当時社長に就任されたばかりの栗原権右衛門現会長に招かれ、「見える化」についてお話をさせていただきました。
 その時のことを私は今でもよく覚えています。役員や幹部が100名近く参加されていたのですが、重苦しい雰囲気が立ち込め、表情もどこか虚ろでした。
 講演の後の質疑応答でも一切質問は出ず、「この会社、大丈夫かな?」と思ってしまうほどの状況でした。実際、業績も底に沈んでいました。
 そんな状況から日本電子は奇跡の復活を遂げました。昨年度は史上最高益を上げています。その陣頭指揮を執られたのが栗原会長でした。
 社内に巣食う問題点をひとつずつ粘り強く解決に導いてこられたのです。組織の縦割りがひどく、実態が見えない状況を打破するために、「見える化」を導入され、役員OBの受け皿になっていたグループ会社の再編を断行し、部門間の連携を促進するための「YOKOGUSHI」(横串し)を推進されるなど、様々な打ち手を講じてこられました。
 ひとつずつの施策を見れば、どれも「当たり前」のことばかりです。しかし、こうした「当たり前」ができないがために、経営が機能不全に陥っていたのです。
経営がしっかりすれば、持前の強みである技術力が俄然活きてきます。経営にマジックはありません。
 今回の講演会の雰囲気は11年前とは様変わり。明るく前向きな雰囲気で、質問も数多く出ました。日本電子は「会社は変われる!」ということを私に教えてくれたのです。

 来週は中国の旅へ出かけるので、9月16日のこのコラムはお休みさせていただきます。次回は9月24日(火)の予定です。お楽しみに!

[今週の出会い]

 コープさっぽろの理事会出席のため、札幌へ日帰り出張。北海道は気温25℃と秋の気配。慌ただしい出張ですが、帰りは新千歳空港のいつものバーでモヒートを一杯。ミントたっぷりのモヒートで暫しの癒しの時間です。

[今週のシナ]

 ソファで何かをおねだりするシナです。真夏に比べれば少しはましになりましたが、夜でもまだ湿気があるので、長い散歩は控えています。早く秋が来て、たっぷり散歩できるのを心待ちにしています。