Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

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一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.454 錆びつかない現場

[2019-12-16]

 11月28日に神戸市の日通・パナソニックロジスティクス神戸MS事業所を訪ねてきました。以前このコラムでご紹介した卓越した現場力を誇る物流現場です。
 この事業所はパナソニックのモバイルソリューション(MS)事業部の工場に併設され、製品や材料の受け入れ・在庫管理だけでなく、生産に必要な部材の払い出し作業まで請け負っています。
 モノづくり品質と同等のサービスを提供することが求められており、ミスのないきめ細やかな対応が不可欠です。
 とはいえ、受託を開始した2007年頃、現場は大混乱。ミスなどが続発し、生産工程にまで影響を及ぼしてしまったそうです。そこで取り組み始めたのが「現場力強化」でした。私の本などを参考にし、5S+見える化+IE・QCなどの取り組みを開始しました。
 約10年が経った今、改善が現場に根付き、5Sや見える化が徹底された「非凡な現場」へと変貌しました。今では年間1万件を超える地道な改善が愚直に行われ、進化を続けています。まさに「錆びつかない現場」です。
 現場を見学させていただいて感心したことが二つあります。ひとつ目は、小さなストレスを徹底的に除去することに取り組んでいることです。
現場にはちょっとした「ストレスの種」がいたるところにあります。かがんで作業をしなければならない、出退勤カードがなかなか入らない、高いところにあるものをとるのが大変・・・。
 ひとつずつは些細なことのように思いますが、こうした小さなストレスが毎日続くと、作業者の負担感は増え、現場の雰囲気まで悪くなってしまいます。
 神戸事業所ではこうした足元の「ストレスの種」を徹底的に取り除くことに取り組み、大きな効果を上げています。社員の多くが女性なので、女性ならではのきめ細やかな気付き、創意工夫がいたるところに散りばめられています。
 二つ目は、「効率化さん」と呼ばれる二人の男性社員の存在です。現場で女性社員たちを中心に「ストレスの種」を見つけても、それらを改善するためにはちょっとしたツールやカラクリを作らなければ問題を取り除くことができないケースが数多くあります。そうした道具立てが準備できないために、そのままストレスが放置され続けてしまうのです。
 二人の「効率化さん」は現場社員の要望に応えるために、ちょっとした道具立てを器用に用意し、改善を実現する役割を担っています。現場社員の気付きと「効率化さん」による道具立ての提供が揃っているからこそ、神戸事業所の現場力は飛躍的に高まったのです。
 こうした取り組みを社内では「神戸化」と呼んでいます。今ではこうした取り組みが受注センターやパーツセンターなどでも横展開されているそうです。
 これからは自分たちが受け持つ工程の改善だけでなく、前工程や後工程も巻き込んだより大きな改善に取り組んでほしいと期待しています。現場力は無限です。
同社のホームページに「神戸化」を紹介するビデオが載っていますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

 今年のこのコラムは今回が最終回です。2020年最初のコラムは1月14日掲載予定です。来年もよろしくお願いします。

[今週の出会い]

 あるカフェでカフェラテを頼んだら、ミッキーマウスのようなラテアートが描かれていました。どことなくシナのようにも見えます。ちょっとした癒しの瞬間でした。

[今週のシナ]

 雨の後、枯れ葉の中を散歩するシナです。トリミング前なので毛むくじゃらです。今年もたっぷり散歩を楽しみました。来年も一緒に元気に散歩を楽しみたいと思っています。