Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.90 TRIGGER2011

[2011-11-28]

 11月20日(日)に大学生を対象とした日本最大級の起業ビジネスプランコンテストであるTRIGGER2011の決勝プレゼンテーションが開催され、審査員のひとりとして参加してきました。昨年に続き、2年連続での参加です。今回が第7回でしたが、800人近くの起業志向の学生や社会人が集まり、大盛況でした。
 今年も約200チームがエントリーし、1次~3次審査を勝ち抜いた5チームが決勝に進んできました。最終的には、GPSとスマートフォンを利用した助け合いプラットフォームのビジネスプランをプレゼンしたtetolというチームが優勝し、賞金100万円プラス副賞を手にしました。
 審査員は5名。この活動を立ち上げ、支援している金田浩邦さんと私以外は、ネットビジネスで注目を集め、東証マザーズにも上場している、新進気鋭の30歳代の若手経営者の皆さんでした。今なにかと話題のソーシャルゲームなどで躍進するKLabのCOO・五十嵐洋介さん、ドリコム社長・内藤裕紀さん、そしてネットビジネスの展開以外に50億円以上のベンチャーキャピタルファンドを運用するngi group社長・金子陽三さんの3名でした。
 お三方ともネットを活用したビジネスモデルについてはプロであり、実体験に基づく厳しい目を持たれている方々ばかりです。今回決勝に勝ち抜いた5チームの内4チームは、ネットを活用したビジネスプランであり、この3名の審査員の皆さんからは本質を突いた、容赦ない質問が出されました。

 その質疑を通して私にとって興味深かったのは、「ネットビジネスにおいても、成功するための鍵はリアルビジネスと変わらない」という発見でした。「“プラン”よりも“チーム”が大事」、「いきなり“面”をカバーしようとするのではなく、“点”を大切にすることが大事」など、経営の本質を突く指摘が何度も強調されていました。
 とかくアイデア偏重、プラン偏重になりがちなビジネスコンテストで、発表している「チーム」のまとまりや質、本気さ、さらにはたとえ「点」であってもどこまで深く考えているかを見る視点は、私にとってもハッと気付かされることでした。日本的かどうかの議論はさておき、「和」の精神や現場視点の帰納法的なアプローチは、ネットビジネスの成功においてもやはり不可欠な要素なのです。
 しかし、明らかに違うのは、スピード感覚です。Dog Yearと呼ばれるネット業界。人間の7年が1年に相当するという成長の速い犬になぞらえた言葉ですが、このスピード感に対応するためには、20歳代、30歳代の経営者でなければとてもついていけないのが現実なのでしょう。
 コンテストから帰宅し、自宅でプロ野球日本シリーズの最終戦を観ました。中日を破り、日本一になったソフトバンクのオーナーである孫正義さんは、貴賓室でメガホンを叩きながら、「リアル」の象徴かのような野球観戦を楽しんでいました。そして、優勝が決まるとグラウンドで胴上げ、ビール掛けでも大はしゃぎでした。
 孫さんは私とほぼ同年代の50歳代半ば。ネットやバーチャルより、実は「リアル」を好むと言う意味では一緒なのかもしれません。

[今週の出会い]

 TRIGGER2011が行われた前日の土曜は、私にとって数ヶ月ぶりの「休暇の土曜日」でした。あいにく台風のような雨模様。それでも奮起して、秩父宮ラグビー場に繰り出し、社会人ラグビーを観戦してきました。
 私が尊敬し、応援する林雅人さん(昨年まで慶應義塾大学ラグビー部監督)がヘッドコーチとして率いるNTTコミュニケーションズが神戸製鋼と対戦し、見事勝利しました。林さんの「チームづくり」の力量は卓越しています。懇意にしているフルバック栗原徹選手も大活躍、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)となりました。
 今日の写真は、その際秩父宮ラグビー場の観客席で撮った仲睦まじい兄弟の後ろ姿です。実は隣にお父さんが座っているのですが、お父さんは試合に熱中。その代わり、お兄ちゃんがパンを与えたり、はちみつレモンを飲ませたりとかいがいしく弟の面倒をみていました。二人の間に置いてある1本のはちみつレモンが、なんとも泣かせます。
 私にも2人の息子がいるので、はるか昔のことを想い出してしまいました。あ~、麗しき兄弟愛!

[今週のシナ]

 今週はシナも後ろ姿をどうぞ!グリーンの綿帽子のような髪飾りはとても好評で、散歩中も「かわいい!」とよく言われます。付けられた時は憮然としていた本人ですが、最近はまんざらでもないようです(笑)。