Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

各種メディア、各種媒体での掲載とその概要を紹介します

一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

「現場学」を研究し、強い現場づくりを目指す遠藤研究室を紹介します

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.109 ソウル

[2012-04-23]

 先週は出張続きの1週間でした。月曜、火曜は韓国・ソウル。水曜に大阪に入り、みずほ総研主催のフォーラムでヤマトホールディングス社長の木川眞さんと対談、木曜に仙台に飛び、積水ハウス仙台工場を見学させていただきました。そして、金曜はつくばの教員研修センターで講演。ひとつずつは大きな移動ではありませんが、ほぼ毎日飛行機か新幹線(もしくは電車)でチョコチョコと移動するのも疲れるものです。
 ソウルでは日系自動車メーカーの現地法人を訪問し、翌朝は商社やメーカーなど大手日系企業の現地法人代表の方々と朝食会。韓国の状況、日韓企業の比較など興味深い情報交換をさせていただきました。(写真はホテルの部屋から望む南山とソウルタワー)

 その後、韓国最大の発行部数を誇る朝鮮日報の取材を受けました。昨年末、日本で出版した『「IT断食」のすすめ』の韓国語版がちょうど出版されたばかりで、出版の背景や問題意識などについて話をしました。
 ちなみに、韓国では「IT」という言葉より「デジタル」という言葉を使う方がピンとするということで、韓国語版の書名は『「デジタル断食」のすすめ』となっています。
 韓国は言わずと知れたIT先進国。韓国でも日本と同じように、IT化の弊害が生まれているのかと思いきや、それほど深刻な状況ではないと記者のLee ShinYoungさんは教えてくれました。
 それはなぜかと聞くと、韓国はIT化、デジタル化の潮流の中でも、「アナログを大切にする」という文化、風習が大切にされているからだと言います。たとえば、会社でも仕事が終われば、上司や同僚たちと「一緒に」食事をしたり、酒を酌み交わすのはごく当たり前のことだし、若者たちがオンラインゲームで遊ぶ時も誰かと「一緒に」やるのが普通だそうです。
 バーチャルの世界に逃げ込むのではなく、リアルな世界の中で誰かと「一緒に」(together)何かをするというアナログがしっかりと根付いているので、ITに毒されることがないのです。On-lineとOff-lineが個人の中でちゃんと識別され、使い分けされているのです。
 そして、そのベースには「徴兵制」があると、Youngさんは教えてくれました。軍隊で徹底的にアナログの重要性を鍛えられるので、ITやデジタルに逃げ込むことはないのだという指摘は、とても説得力があります。
 日本では「together(一緒に)」ではなく「alone(ひとりで)」を好む人たちが主流になってしまっています。確かに巷では、「ひとりカラオケ」や「ひとり焼肉」など「おひとりさま」が流行っていると聞きます。おそらく、韓国では考えられないことでしょう。
いつの間にか、日本は世界で最も「個人主義」な国になってしまっているのです。そして、それがIT中毒の温床になっているということを再認識した取材となりました。

[今週の出会い]

 ソウルで仕事が終わった後に、ローランド・ベルガーのメンバーたちと焼肉の食事に出掛けました。ソウルオフィスは昨年オープンしたばかりの小世帯です。日本や中国のオフィスから韓国語が話せる若手コンサルタントに来てもらい、立ち上げを助けてもらっています。
 12年前に私がローランド・ベルガー東京の社長に就任した時、コンサルタントの数はわずか5人。それが今では100名近い陣容となりました。ソウルオフィスもやがて大きな花が咲くと期待しています。

[今週のシナ]

 シナの横顔です。バブルバスに入った後に、パンジーの髪飾りをつけてもらいました。ちょっとハデですが、春らしくてお似合いです。