Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.116 中国国家行政学院

[2012-06-18]

 先週1泊2日で中国・北京に行ってきました。客員教授を務めている長江商学院からの新たな依頼で、国営企業の経営幹部向けのプログラムでレクチャーをしてきました。
 ホテルかどこかの会議室で研修をするのかと思っていたら、迎えの車が向かったのは北京のど真ん中にある国家行政学院(Chinese Academy of Governance)という巨大な施設。中央政府や地方政府の高級官僚を育成するためのきわめて重要な機関です。
 おそらくフランスのエリート官僚養成学校として名高いENA(Ecole national d`administration)を模して設立されたものでしょう。
 入り口は厳重な取り締まりが行われていて、ものものしい雰囲気。私が乗った車も中には入れず、ここで一旦降りて、別の車に乗り換えて施設の中に入りました。

 公園のような広い敷地内にはいくつもの建物が建っており、そのひとつで降りると、だだっ広い控室に通されました。要人たちを迎えるレセプションルームのようです。施設内の写真は撮るなと言われていたので、誰もいない時にレセプションルームの中と国家行政学院の名前入りのティカップの写真を記念に撮りました。
 この施設は高級官僚育成が目的ですから、その研修内容は行政が中心です。一方、中国には数多くの巨大な国営企業(SOE:State-Owned Enterprises)が存在し、中国経済のきわめて大きな部分を握っています。その幹部、社員たちも当然国家公務員です。
 今回、長江商学院はその国営企業の経営幹部向けの研修を受託し、その講師のひとりとして私は招かれたのです。約40名の参加者リストを見ると、錚々たる顔ぶれが揃っています。石油、鉄鋼、化学、鉄道、航空、原子力、造船、通信などの国営企業のChairmanやPresident、General Managerクラスがぞろぞろいます。
 何人かと名刺交換をしましたが、ある人の名刺にはBoard Chairmanの肩書と共に、Party Secretaryのタイトルが。「共産党委員会書記」として政治的実権も持っているのです。

 中国のみならず、世界では「政治と経済活動の一体化」が加速度的に進んでいます。韓国や台湾企業も国策と連動して、競争力をつけてきました。中国の国営企業もグローバリゼーションを見据え、本格的に国際経営の勉強を開始したのです。
 それに対し、日本政府の無策は顔を覆うばかり。民間企業が自助努力でなんとかできる範囲を超えています。国策としての産業育成、国際競争力の確立を行わなければ、日本はますます地盤沈下するばかりです。
 レクチャーはAM8:30から約3時間。私が英語で話し、それを同時通訳するというスタイルで行いました。
 私が話したテーマは、「日本企業の戦略とイノベーション」。激しさを増すグローバル競争の中で、日本企業はどのような戦略をとるべきか、そしてその実行を担う現場力の再強化をどのように行うべきかについて話をしました。
 長江商学院の通常のMBAの授業では、矢継ぎ早に質問が出てくるのですが、今回は3時間の中で出された質問・意見は4~5個。キャッチボールをするという訳にはいきませんでしたが、中国の国営企業のトップがどのような問題意識を持っているのかを知るよいチャンスとなりました。

[今週の出会い]

 先週の土曜は日帰りで札幌へ。少しだけ時間があったので、旧北海道庁のある公園を散策してきました。梅雨空の東京とは打って変わり、涼しく快適!夏は北海道に“移住”しようかな・・・。

[今週のシナ]

 ソファーでお利口にしているシナです。季節の変わり目はいつも体が痒くなるのか、夜中にボリボリ・・・。そのせいで、シナはこのところ寝不足気味です。