Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.121 Tourville- Deauville

[2012-07-30]

 欧州出張でプラハ、ロンドンを経由して、パリに降り立ちました。今回はパリに滞在するのではなく、フランス・ノルマンディ地方へ足を延ばすことにしました。
 朝のフライトでロンドンからパリへ移動し、市内のSt.Lazare駅へ向かいました。パリ市内にはいくつもターミナル駅がありますが、フランス北部のノルマンディ地方やブルターニュ地方へ行く電車はSt.Lazare駅から出発します。
 向かったのは、パリから電車で2時間ほどのTourville-Deauville。海岸沿いの有名なリゾート地です。駅名はひとつになっていますが、実際にはTourvilleとDeauvilleというまったく趣を異にした二つの街があるところです。
もともとは小さな漁村でしたが、1825年に風景画家シャルル・モザンが移り住み、それ以降モネやコローといった有名画家やデュマなどの作家たちが訪れるようになりました。さらに、1863年にパリから鉄道が敷かれると、上流階級や著名人たちがこぞって押し寄せ、人気のリゾート地となったのです。

 駅に到着して、左側へ向かうとDeauvilleの街が現れます。いかにもフランスらしいお洒落な商店街は、日本でいうと軽井沢のような洗練された雰囲気です。10分ほど歩くと、100年の歴史を誇るNormandy Barriere de Deauvilleというクラシックなホテルに行き当たります。その奥には、ホテルが経営するカジノ、そしてエルメスやルイ・ヴィトンなどの高級ブランドが店を構えています。
 ホテルの前は美しい砂浜のある海岸です。この海岸は映画『男と女』の舞台となったところ。高校時代にこの映画を初めて観て以来、いつかこの海岸に来たいと思っていたので、念願が叶いました。
 海岸の周りには、かつて貴族たちがバカンスを楽しんでいたであろう大きな別荘や、デザイナーズマンションのようなお洒落なリゾートマンションが立ち並んでいます。絵に描いたような高級リゾートがDeauvilleです。

 駅の右側に広がっているのが、Tourvilleの街です。Deauvilleの街中から歩いて15分ほど。ここはDeauvilleとは対照的に、本当に庶民的な街です。運河沿いに商店やレストランが並んでいますが、どれもカジュアルで親しみやすい雰囲気です。
 庶民たちが住む街並みは、さすがに古くて、傷んでいるところも多いのですが、それがまたTourvilleらしいところでもあります。Deauvilleの街並みは手入れが行き届き、古さを感じさせませんが、街の年輪を感じるのは明らかにTourvilleです。

 Tourvilleの海岸もDeauville同様、素敵な砂浜ですが、こちらでは子供たちが砂の城をつくったり、サッカーをしたりして遊んでいます。パラソルが一面に立ち、優雅な雰囲気を醸し出すDeauvilleの海岸とは対照的です。
 また、Tourvilleはポスター画家サヴィニャックゆかりの地としても有名です。晩年をTourvilleで過ごしたサヴィニャックはこの街を愛し、街の至る所にポップな壁画を残しています。20近くあるこうした壁画をのんびりと探し歩くのも一興です。
 二つのリゾート地を訪ねて感じたのは、それぞれの街がそれぞれの個性を持ち、街のコンセプトがきわめて明確なことです。せっかくユニークな歴史や文化を持ちながら、街の個性が失われ、同質化が進む日本が学ぶべきお手本がここにあると感じます。
 たった1泊という慌ただしい訪問でしたが、次回は何日か逗留したいと思いながら、帰りの電車に乗りました。

[今週の出会い]

 ローランド・ベルガーの中堅・若手コンサルタントたちと明治記念館のビアガーデンで暑気払いをしてきました。泡が凍っているフローズンビアで幕開け、シャンパン、ワインをガブガブ飲みながら、色々な話をしてきました。
 コンサルタントという仕事はプロフェッショナルです。年齢や経験、タイトルとは関係なく、クライアントに付加価値を提供した人間こそが真のプロです。若くてフレッシュだからこそ、そして変な色に染まっていないからこそ付けられる付加価値が必ずあります。
 彼らが成長し、プロに育つことが、ローランド・ベルガーの発展につながります。能力が高く、ガッツのある彼らに大いに期待しています。
 ビアガーデンの後は、全員でカラオケで盛り上がりました!楽しいひとときでした。

[今週のシナ]

 猛暑の夏、シナは朝6時には散歩に行くようにしています。この時間でももう暑い!午後の散歩は夕方6時以降でないと、地面が熱すぎてとても歩ける状況ではありません。
 それでも、いつも可愛がってくれるスタッフの人たちがいる駅前のペットショップを目指して、シナは一生懸命歩きます。「シナちゃん、こんなに暑い中来てくれたの!」と可愛がってもらうと、満足そうに尻尾を振っています。