Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

各種メディア、各種媒体での掲載とその概要を紹介します

一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

「現場学」を研究し、強い現場づくりを目指す遠藤研究室を紹介します

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.210 中国企業の表彰式

[2014-06-09]

 以前、このコラムで中国・大連を訪ねた時の食紀行についてご紹介しました。今回はその時の朝、散歩をしていた時に遭遇した出来事をご紹介します。
 1時間以上ぶらりと散歩をし、ホテルへ戻ろうと大通り沿いを歩いていると、その歩道を占拠する集団がいます。時間は朝の8時前。その数は数百人にもなり、歩道を完全に塞いでいます。一般の通行人は車道の脇まで降りて通過するしかありません。
 「何事か?」と思ってよく見ると、そこは「友誼商城」という百貨店でした。そして、建物の外壁には「友誼商城2014年星級考評五星組員工授星・・・表彰大会」という横断幕が掲げられています。中国語はまったく話せませんが、漢字のニュアンスで優秀社員の表彰式を行うのだろうということは分かりました。中には、背中に「Challenge SALE」と書かれた赤いTシャツを着たおばちゃんもいます。おそらく売上コンテストを展開し、成績上位者を表彰しているのでしょう。

 それにしても、人々が出勤する時間帯に、百貨店の建物の前とはいえ、歩道を占拠し、表彰式を行うとは日本では考えられません。しかも10分、20分経ってもなかなか始まりません。社員たちは手持無沙汰でペチャクチャお喋りをしています。中には、饅頭のような朝食を立ち食いしている人もいます。何の緊張感もありません。
 私が到着して30分が経過し、ようやくセレモニーが始まりました。最初は国旗と社旗を持った儀衛兵のような人たちが行進し、旗の掲揚が行われました。しかし、この似非儀衛兵たちは足並みも揃っておらず、中にはお腹の出た肥満体の人もいて、どこかユーモアたっぷりでした。
 その後、3人の幹部が入れ替わり立ち替わり長いスピーチをし、ようやく表彰式が始まりました。その表彰式は実に呆気ないものでした。一人ひとり表彰するのかと思ったら、数十人の受賞者全員が前に進み、表彰状のようなものが手渡され、おしまい。待たされて、国旗掲揚とかどうでもいい挨拶を長々と聞かされて、肝心の表彰に要した時間はわずか数分。これといった締めの言葉もなく、社員たちは眠そうな顔で散っていきました。開店前の朝早くからお疲れ様です。

 このセレモニーのハイライトは、表彰式が始まる瞬間に起こりました。百貨店の入口の回転扉に突如モップを持った掃除のおばちゃんが登場。表彰式の様子に関心を寄せることもなく、せっせと回転扉のガラスの拭き掃除を始めたのです。本当に表彰すべきは、このおばちゃんでしょう!

[今週の出会い]

 先週、出張で宿泊した札幌のホテルからの景色です。有識者理事を務めているコープさっぽろの総代会に出席してきました。経営破綻状態から大見理事長をはじめとする経営陣、管理職、現場の頑張りで業績を回復させ、とても良い経営をしています。
 北海道が歴史的な暑さを記録した翌日でした。37℃になったところもあるようです。この日は多少落ち着いていましたが、それでも少し歩くと汗ばむ陽気でした。毎月訪問しているので、7月、8月は北海道らしい爽やかな夏になってほしいと願っています。

[今週のシナ]

 先々週のこのコラムで「パニーニ」に凝視し、固まるシナを紹介しました。その直後の写真がこれです。耐え切れずに「パニーニ」に接近し、今にも食いつきそうです。チーズ好きのシナにとって「待て!」は酷でした。