Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

各種メディア、各種媒体での掲載とその概要を紹介します

一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

「現場学」を研究し、強い現場づくりを目指す遠藤研究室を紹介します

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連載コラム「現場通信」

現場通信vol.13 第20回OE研究会を終えて

[2009-05-05]

 去る3月30日(月)に第20回のOE研究会を開催しました。この研究会は早稲田大学ビジネススクール遠藤研究室が主催し、オペレーショナル・エクセレンスを誇る企業から毎回ゲストを招き、現場力強化の取り組みについてお話を伺っています。背伸びをせず、細々と手作りでやってきた勉強会です。

 今回は20回という節目であり、また私の新刊である「現場力復権」が刊行されたことと併せて、記念講演会と銘打ち、神田錦町の学士会館で行いました。当日は期末、月末と重なり、しかも月曜の午後という三重苦の日程だったため、どれだけ集客できるか不安でしたが、100名を超える参加者にお集まりいただきました。世界的な光ファイバーケーブルメーカー・フジクラの西田孝至副社長や長年に亘ってお世話になっている東洋経済新報社の大貫英範取締役にもご参加いただき、有り難い限りです。 

この会のメインゲストは、私の新刊の中でも紹介しているJAあいち知多の伊藤勝弥次長と松田定三課長の2名です。昨年、私は同組合を訪問し、職場活性化の取り組みを見せていただく機会に恵まれました。
 そこで見たものは、それまで私が抱いていた「農協」のイメージをぶち壊す現場主導の活性化した職場でした。現場で会うリーダーや職員の人たちは生き生きとし、皆の知恵やアイデアを最大限に活かした取り組みを展開していました。
 そうした活動をリードしてきたのが、伊藤さん、松田さんの二人です。私は現場改革における「ミドル」の重要性を再認識しました。改革というと、いつも出てくるのが経営トップのリーダーシップです。GEのジャック・ウェルチ、日産のカルロス・ゴーン、日本人でもトヨタ自動車の奥田硯前社長、パナソニックの中村邦夫前社長など改革を成功させるためには、経営トップの不退転の覚悟とコミットメントが不可欠なのは言うまでもありません。
 しかし、改革はひとりだけでできるものではありません。実際に組織を動かし、様々な障害を乗り越え、一歩一歩改革を前進させるのはミドルの力です。経営トップと現場をつなぐミドルがエンジンの役割を果たさなければ、改革はけっして成功しません。

にもかかわらず、残念ながらこうしたミドルの動きは外からは見えません。そこで、実際に改革の牽引役を務めているお二人から、直にお話を伺おうということでお招きしたのです。

お二人のお話を伺った参加者は、「ミドルが動けば、組織は動く」ということを肌で感じたのではないかと思います。自分自身が動けばよいのに、組織のせいにしたり、経営トップのせいにするミドルが多いのが現実です。Excuseを探す前に、自分自身は何かを変えようとしているのか、何かを仕掛けようとしているのかを日本のすべてのミドルは問い直す必要があります。
                                                         私も三菱電機で10年間サラリーマンをやっていましたから、数多くのミドルを見てきました。当時「この人はすごいな!」と思った課長クラスの人たちは、その後例外なく出世し、組織の中で大きな仕事を成し遂げていきました。逆に、「この課長はだめだな」と思った人の大半は案の定、組織の中に埋没していきました。(但し、「だめだな」と思った人の中からもたまに出世している人がいるのも事実です。これが組織の悩ましいところでもあります)                                                                          私が出会った「すごい課長」には3つの共通点があります。それは「独自のテーマを持つこと」「自ら仕掛けること」、そして「部下を育てること」の3つです。ミドルの時代に「一皮剥ける体験」をしているかどうか。それがその人の「器」を決めるのです。