Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

各種メディア、各種媒体での掲載とその概要を紹介します

一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.291 社外役員の仕事

[2016-03-07]

 雑誌「Wedge」に「米国流『ガバナンス』が企業を弱くする」という特集が組まれ、「社外取締役バブル 疑わしき統治の実効性」という記事が掲載されています。この記事には東証一部上場企業4社以上で社外取締役、社外監査役に就いている61人のリストが載っていて、私もその1人としてリストアップされています。
 その内訳を見ると、上場企業役員経験者16名、金融機関出身者9名、弁護士等15名、大学教授4名、上級役人出身者4名となっています。大企業の経営者と弁護士を併せると40名となり、全体の3分の2を占めています。
 経営コンサルタントは元ATカーニーの安田隆二さん、元マッキンゼーの名和高司さん、元アクセンチュアの森正勝さん、そして私の4名だけです。米国では経営コンサルタント経験者が数多く社外取締役の役割を担っていますが、日本ではまだまだコンサルタントの地位、もしくはコンサルタントに対する期待値が低いことがこれからも分かります。
 弁護士や事務次官経験者などの方々は大所高所から企業を正しい方向に導くことが期待されているのだと思います。その一方、企業役員経験者や経営コンサルタントは企業価値を高めるためのビジネスに関する助言や指南が期待されていると言えます。
 中でも、経営コンサルタントは幅広い業界を知り、また具体的なプロジェクトを数多く経験しているので、ビジネスインテリジェンスはとても高いものがあります。その意味では、日本企業の社外役員にもっと登用されてもおかしくありません。
 但し、自ら経営に携わった経験がある人は少ないので、そこがボトルネックなのでしょう。安田さんや森さん、そして私は外資系コンサルティング会社の日本法人代表を務めた経験があるので、経営コンサルタントであると同時に企業経営者としての経験、視点も持っていると言えます。
 大企業ではありませんが、やはり経営トップとしてそれなりの意思決定を行い、修羅場をくぐった経験が重要です。「社長になると見える景色が違う」とよく言われます。確かに、経営者の視点、目線というのは、やはり経験しなければ身につかないものなのだと思います。
 社外役員として私が常に心掛けているのは、「アクセル役」と「ブレーキ役」を使い分けることです。経営陣がリスクをとることに腰が引けていると思えば、もっと積極的に投資すべき、加速すべきだと進言します。逆に、少し前のめりすぎていると感じれば、ブレーキをかけることもあります。
 私が社外役員を務めている企業の経営陣は、とても優秀でレベルが高い企業ばかりです。そして、業績も総じて好調です。
なぜこれらの企業の業績がよいのか。それは経営陣が有能であるだけでなく、社外役員という客観的な声に真摯に耳を傾け、それを活かそうとする姿勢があるからに他なりません。日本企業においても社外役員の有効活用が徐々に広がっていると実感しています。

[今週の出会い]

 本や書類で埋まり、「ゴミ屋敷」状態だったローランド・ベルガーの私のオフィスの大方付けを行いました。たまりにたまった書類や本、雑誌などをほぼ丸一日かけて片付けました。
 どこかに埋もれていた懐かしい写真などがいくつも見つかりました。中でも飛び切りの発見は、ボストン・コンサルティング・グループ時代の名刺!プロジェクトマネージャーに昇進した時の名刺が残っていました。
 約27年のコンサルタントとしてのキャリアの中で、最も嬉しかったのがBCGでプロジェクマネージャーに昇進した時でした。「これでコンサルタントとして飯が食っていける!」と安堵した感覚が蘇ってきました。

[今週のシナ]

 汗ばむほどの陽気の中、元気に散歩するシナです。あったかくなったので、散歩する時間も長くなってきました。尻尾をフリフリ、毎日の散歩を楽しんでいます。