Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

各種メディア、各種媒体での掲載とその概要を紹介します

一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.297 桃太郎文化

[2016-04-15]

 先々週のことになりますが、雑誌「理念と経営」の巻頭企画で、丸和運輸機関の和佐見勝社長と対談させていただきました。これまでにも島精機製作所の島正博社長、森下仁丹の駒村純一社長、良品計画の金井政明会長、一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生といった錚々たる方々と対談させていただき、私も多くのことを学ばせていただきました。今回も気付きの多い対談となりました。
 丸和運輸機関は一般には馴染みのない会社ですが、実は物流業界ではよく知られる優良企業です。小売業に特化した物流ソリューションを提供しており、多くの食品スーパーが同社のサービスを利用しています。同社の高度なサービスがなければ、食品スーパーのオペレーションは回らないほど小売業のインフラとなっています。
 なぜそれほど小売業に頼りにされる存在になったのか?それは和佐見社長ご自身の経歴にあります。和佐見社長は15歳で青果商に勤め、19歳で独立して八百屋を開業しました。
 しかし、24歳の時に押してはいけない判を押して、すべてを失ったそうです。そして、唯一残った車1台を元手に運送業を始められたのです。
 つまり、自ら商人を志し、商人道というものを熟知しておられるので、小売業のニーズや気持ちがよく分かるのです。これこそが他の物流会社との絶対的な違いです。
 さらに、2001年にはRCC(整理回収機構)の要請を受け、民事再生法の適用を受けた福島県いわき市の食品スーパー・藤越の再建に乗り出しました。当初は乗り気ではなかったそうですが、人助けのためだと思い取り組んだそうです。
 そして、食品スーパー再生のプロセスの中で新たな物流システムの発想が生まれ、それが現在の丸和運輸機関の高度なサービスの原点になっています。食品スーパーの経営を実際に担ったからこそ、小売業の実際のオペレーションの課題やニーズが見えたのです。
 顧客の立場に立って、ものを考えろ。よく言われる言葉ですが、実際には簡単なことではありません。和佐見社長のように実際に顧客の立場を「経験」することほど有効なことはありません。経験に勝る学習はありません。対談の詳しい内容は「理念と経営」でお読みください。
 丸和運輸機関では「桃太郎文化」という独自の企業文化を大事にし、人材教育に力を入れています。大事にしている様々な考え方をまとめた小冊子をいただきましたが、これだけでも立派な経営書になるほど内容の濃いものです。
 特に印象に残っているのは、「知解」(ちげ)と「体解」(たいげ)の違い。「知解」とは勉強を重ね、教養を積んで知識を身に付けること。そして、「体解」とは何度も繰り返し実践することで体に擦り込むように覚えること。
もちろんビジネス教育においては両方とも大事なのですが、「体解」を伴わない「知解」は意味がないばかりか、時には大きく方向を見誤る危険性もあります。ビジネススクールをはじめとする現在のビジネス教育の大きな課題がここにあります。気付きと発見の多い対談となりました。

[今週の出会い]

 講演をした際の手土産として、五代庵の「紀州五代梅」をいただきました。個包装され美しい木箱に詰められた様子は、まるで高級スイーツのようです。
 塩分をおさえた大粒の梅は、まろやかな自然の甘みがあり実に美味。ご飯のお供に美味しくいただいています。

[今週のシナ]

 腰痛のためトリミングに行けないので、シナはボウボウです。腰痛は今のところ薬で抑えられています。でも、用心のため散歩はまだ禁止。抱っこして近くの公園に連れていき、少しだけ歩かせています。早く散歩に行きたいところですが、既に何度もやっているので、様子を見ながら少しずつ歩く距離を増やしていくことにしています。