Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

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一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.304 コープさっぽろ総代会

[2016-06-13]

 先週金曜、札幌で行われたコープさっぽろの総代会に出席してきました。私はここ4年、コープさっぽろの有識者理事を務めさせていただいています。
 コープさっぽろの近年の業績は特筆ものです。大見英明理事長のリーダーシップの下、体質強化と身の丈を守った果敢な攻めのバランスをとり、50周年を迎えた先期は最高益を上げました。
 イオンやアークスといった大手競争相手との熾烈な闘いの中で、店舗事業が奮闘し、売上を伸ばしています。稼ぎ頭である宅配事業も安定した利益を生み出し、さらには物流事業や生産工場が成長に寄与しています。
 いまだにバブル時の巨額の「負の遺産」を背負っていますが、安定した利益の確保に目途が立ったこともあり、今後の7年間で欠損金を処理する計画も打ち出しました。
 総代会は1年に1回行われる重要な会合。一般の企業で言えば、株主総会に当たります。北海道内の7つの地区で行われ、最後の締め括りとして札幌で開催され、約400人の総代が出席しました。
各地区の総代会で出された63もの質問や要望に、大見理事長が丁寧に回答し、その後議案の採決が行われました。質問内容は食の安全に関わること、店舗の老朽化、宅配のサービス内容、新規に始めた電力事業のことなど実に多岐に渡ります。
 コープさっぽろの組合員数は160万人。北海道の世帯数は274万世帯ですから、実に60%近い世帯が加入していることになります。
 大都市である札幌市の組織率は50%程度ですが、それ以外の市町村の高い組織率に驚きます。美唄市96%、富良野市90%、赤平市88%など、過疎化、高齢化に苦しむ市町村においては、コープさっぽろはなくてはならないライフラインなのです。
 生協組織の主体はあくまでも組合員、つまり生活者の皆さんです。なので、役員の主体も組合員のなかから選ばれた理事たちです。全道から選ばれた組合員理事は14人の主婦の皆さん。
 それに対し、経営を司る常勤理事は大見理事長をはじめ4人にすぎません。そこに私のような外部の有識者理事が4人加わり、役員会を構成しています。初めて理事会に出席した時には驚きましたが、今考えればまさに「お客さまを内部化させた組織・ガバナンス」とも言えます。

 生協(生活協同組合)は「協同互助の精神に基づき、組合員の生活の文化的経済的改善向上を図る」ことを目的とした組織です。フィンランドなどの北欧を中心に、欧州ではきわめて大きな存在感を持っています。
 米国流の資本の論理ばかりがまかり通り、「資本の暴走」がもたらす深刻な問題が世界中で顕在化する中、「生協」という存在、そしてその背後にある思想は益々重要になると私は思っています。
 その生協の中でも、コープさっぽろの先進性は光っています。北海道の一生協にとどまらず、日本のお手本となるようなビジネスモデルへと進化してもらいたいと願っています。

[今週の出会い]

 来月出版予定の私の次著『五能線物語』の再校ゲラが上がってきました。1年半に亘って準備してきた本が、いよいよ完成間近です。
 この本の編集をお願いしているPHP研究所・大村まりさん渾身のゲラの出来栄えは素晴らしく、今から本になるのが楽しみです。本を買うと抽選でもらえる限定グッズや出版記念の講演会(対談)なども企画中なので、近々お知らせします。
 東京の大手書店では、7月14日頃店頭に並ぶ予定です。あと1ヶ月ほど、お待ちください。お楽しみに!

[今週のシナ]

 ムシムシと暑くなってきました。シナの午後の散歩は、夕日が沈む6時頃。それでもアスファルトからの照り返しは相当熱いようで、散歩から戻るとソファでぐったり居眠りをしています。これから本格的な夏。散歩は夜になるかもしれません・・・。