Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

各種メディア、各種媒体での掲載とその概要を紹介します

一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

「現場学」を研究し、強い現場づくりを目指す遠藤研究室を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.328 意志の継承

[2016-12-12]

 先々週のことですが、11月28日に住宅金融支援機構の「カイゼン発表全国大会」に出席してきました。同機構の現場力強化の取り組みについては、これまでにもこのコラムや「現場千本ノック」でも取り上げています。
 現場力や改善の重要性はけっして民間企業に限ったことではありません。独立行政法人である住宅金融支援機構が現場力に着目し、改善という地道な活動を組織全体で取り組み、成果を上げているという事実は、もっともっと注目されていいと私は思っています。
 ここ数年、この全国大会に毎回出席させていただいていますが、改善内容のレベルは高まり、運営方法も進化しています。今回は2000件を超えるカイゼン事例が全国各地の支店及び本店から集まりました。
 その中から36件が最終候補として選ばれ、今回の全国大会でその内12チームが発表する機会を与えられました。どのチームが選ばれるかは当日まで分からないので、会場に集まった36チームは最後の最後まで胸がドキドキ!
 選ばれた12チームの発表内容は、どれもが現場ならでは問題意識からスタートし、現場ならではの知恵で解決した実に地に足の着いたものばかりでした。発表時間は少し短めでしたが、趣好を凝らした発表もありました。
 注目すべきは、社員ではなくアシスタントさんたちの声に耳を傾けたカイゼン事例が増えていること。現場の何が問題なのか、どうしたらもっとよくなるのかを一番よく知っているのは、実はアシスタントの人たちなのです。契約社員やパート社員という立場である彼女たちを巻き込むことによって、カイゼンは本物になっていきます。
 また、地方の支店からユニークな取り組みが増えていることも大事なポイントです。これからは「ローカルの時代」。地域に根付いた地方発のカイゼンをどんどん発信、共有することによって、「カイゼンで地方を元気にする」というアプローチはきわめて有効かつ重要になってきていると思っています。
 住宅金融支援機構のカイゼンの取り組みは、宍戸信哉前理事長の時代に始まりました。そして、昨年就任された加藤利男現理事長もその路線を受け継ぎ、現場力強化の取り組みをさらに加速しようとしています。
 現場力強化の取り組みにおいてなにより大事なのは、この「意志の継承」です。経営陣の交替があっても、現場力強化についてはぶれずにやり通すという経営の意思が継承されることによって、現場は本気になり、現場力という組織能力は向上していきます。
現場力は時間をかけて高め、熟成させていくものです。最低でも10年以上の時間をかけなくては、本物の現場力にはなりません。
にもかかわらず、経営トップが交替すると、それまでせっかく良い取り組みをしていても、それがいつの間にか霧散してしまう。そういう事態を私は何度も見てきました。
 現場力という足元の競争力は、経営トップの強く持続的な意志があって初めて確立するものなのです。住宅金融支援機構の現場力がこれからどのように進化していくのか、益々楽しみになってきました。

[今週の出会い]

 コープさっぽろの麻田信二会長から特製「ブルーベリー・ドレッシング」をいただきました。これは麻田会長のご自宅の農園で収穫した有機ブルーベリーを使用した限定品。ブルーベリーを20%も使用しています。
 麻田会長がお住まいの長沼町は、早くからブルーベリーの栽培を始め、町の特産品として育てようとしています。希少品なので、北海道以外の在住者でこのドレッシングを賞味するのは、おそらく私が初めてでしょう。早速新鮮な野菜とともに楽しみたいと思っています。

[今週のシナ]

 カピバラのぬいぐるみと仲良く写真を撮るシナです。一見仲よさげですが、たまにぬいぐるみを口にくわえ、振り回して、暴力をふるっています。シナにとってストレス発散の対象のようです。