Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

各種メディア、各種媒体での掲載とその概要を紹介します

一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

「現場学」を研究し、強い現場づくりを目指す遠藤研究室を紹介します

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.377 自分のスタンスをとる

[2018-02-19]

 新著『生きている会社、死んでいる会社』の見本が送られてきました。1年以上かけて書き上げた本なので、完成した姿を見るとやはり感慨深いものがあります。
 今週金曜から書店の店頭に並ぶ予定です。ぜひお買い求めください。
 現在、いくつかの会社で並行して走っている次世代リーダー育成研修が佳境に入ってきました。今月は中間報告会や最終報告会があり、選抜されたメンバーたちは必死にもがいています。
 私は「伴走者」なのですが、そうはいってもやはり納得のいく成果物にまとめてもらいたいので、叱咤激励したり、ドラフトに赤を入れたりして、サポートしています。
 次世代リーダー育成研修は、位置づけは研修ですが、私は「真剣勝負」の場だと思っています。それぞれの会社の未来を担う部次長や課長クラスを対象に、経営課題を抽出し、それについての具体的な提言をまとめ上げ、会長や社長などの経営陣に直接ぶつける。
 日頃の「マネージャーの目線」ではなく、「経営者の目線」で物事を考え、もっともっと良い会社にするために何をすべきかを掘り下げていく。世の中の大きな潮流を見定め、経営者の視点や視座を身につけるための実践的訓練に他なりません。
 そのためには、情報収集や分析は欠かせませんが、最も大事なのは自らの「思い」です。こういう会社にしたいという個人の強烈な「思い」がなければ、会社をさらに成長させたり、変革することはできません。
 「思い」とは主観のことです。新たな創造や変革は強烈な主観からスタートします。もちろんひとりよがりではダメなので、FactやEvidenceを集め、主観を客観化する作業は欠かせません。
 しかし、いくらFactやEvidenceを集めたところで、「思い」や主観のないところからは何も生まれません。評論家に創造や変革はできません。
 私が駆け出しのコンサルタントだった頃、よく言われたのが「自分のスタンスをとれ!」という言葉でした。自分が社長だったらどう決断するのか、そのスタンスを明確にして、クライアントと向き合わなくてはダメだという指摘でした。
 評論家のように当たり障りのないことばかりを並べるようなコンサルタントはけっしてクライアントに信頼されません。自分自身の意見、立ち位置をはっきりさせ、クライアントと本気、本音で議論を戦わせる。それができるコンサルタントこそが真のプロフェッショナルだと私は思っています。
 とはいえ、「自分のスタンス」をとるというのは簡単なことではありません。スタンスを明確にするということは、責任を伴うことでもあります。よほどの自信や強い根拠がなければ、「自分のスタンス」を明確にするのはとてもしんどいことです。
 若かりし頃の私は、「自分のスタンス」をなかなか明確にできませんでした。もちろん自分の意見がないわけではありません。でも、それがクライアントにとって本当に最適なことなのか、他にもっと良い選択肢があるのではないか考えあぐね、中途半端なことしか言えなかったのです。
 深く本質を考える。多面的に考える。短期だけでなく中長期的な視点で考える。そうした訓練と実践を繰り返すことによって、ようやく「自分のスタンス」をとることができるようになっていきました。
 次世代リーダー育成研修の受講生たちも、「自分のスタンス」を探し求め、経営陣に思い切りぶつけ、一皮剥けてほしいと願っています。

[今週の出会い]

 美味しい和食屋での会食。なかでも、ふぐ刺しが絶品でした。おたふくの小鉢には薬味が入っていました。見た目も美しく、楽しいひとときでした。


[今週のシナ]

 シナは11歳の誕生日を迎えました。お祝いにペット用のケーキとチキンをふるまいました。チキンを瞬く間にたいらげた後、ゆっくりケーキを味わっていました。歳をとっても、食欲は旺盛です!