Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.9 スペシャルトークライブ

[2010-03-08]

 3月4日に「未来のスケッチ」出版記念のスペシャルトークライブを丸の内のコンファレンススクエアM+で行いました。当日はあいにく雨模様で、しかも有料にもかかわらず、150人近い数の皆さんにお集まりいただきました。
 旭山動物園の坂東園長と私という“異色”のコラボでしたが、皆さん熱心に聞き入っていただき、90分があっという間でした。中には「もう少し聞きたかった」という方もいたかと思います。坂東さんと私の“乗り”としては、あと1時間でも2時間でも大丈夫という感じでしたが、会場の都合でやむをえませんでした。

 前半は本の内容に即して、私が質問し、坂東さんに答えてもらうという形式で進めました。「14枚のスケッチ」を描いた時の雰囲気や「串団子」の意味、そして「ソフトの力」などについて興味深い話を聞きました。そして、後半は坂東さんが描いている「未来のスケッチ」についてパワーポイントや映像を交えてお話しいただきました。旭山動物園という枠を超えた知床やボルネオでの取り組みについて、熱く語っていただきました。
 坂東さんのお話で最も印象に残っているのは、「どん底の時から自助努力でじわじわと来園者を増やしていったことが大切」と語られたことでした。旭山動物園が一躍脚光を浴び、全国区になったのは2004年に「あざらし館」をオープンしてからです。実際、2003年に82万人だった来園者数は一気に145万人にまで増えています。「あざらし館」のオープンによって、旭山人気に一気に火が付いたのは間違いありません。

 しかし、来園者数の推移をよく見ると、確かにどん底であった1996年の26万人から、31万人、35万人、42万人、54万人、58万人、67万人、82万人とじわりじわり着実に増やしてきているのです。坂東さんは「この時期こそ大切な時期だった」と振り返っているのです。
 この7年間はまさに旭山動物園独自の競争力を蓄えていった時期と言えるでしょう。坂東さんが言うところの「ソフトの力」が蓄積され、“旭山らしさ”が熟成されていったのがまさにこの時期なのです。
 私たちはどうしても「ジャンプ」ばかりに目が行きがちです。しかし、大きな「ジャンプ」の裏側には、地道な「ホップ」「ステップ」が必ず潜んでいます。その時に何をしていたのか、何を考えていたのか。それを理解しなければ、「ジャンプ」という成功を学んだことにはなりません。どうしても派手な行動展示ばかりに目が行きますが、旭山動物園の愚直さ、ぶれない軸、現場主導の継続的創意工夫こそ、この動物園の競争力の本質なのです。

 「未来のスケッチ」はお蔭さまで順調に売れているようです。新聞広告もまだ掲載していないのですが、丸の内オアゾの丸善では、ビジネス書で4位にランクインしました。ありがたいかぎりです。
 日頃お世話になっている皆さんに「未来のスケッチ」をお送りしたのですが、続々と反響が寄せられています。以前のこのコラムでご紹介した、日本レストランエンタプライズのカリスマアテンダント、齋藤泉さんからは次のようなお手紙をいただきました。

「園長のおっしゃる串団子という表現にはあまりにも的を射ているので脱帽でございました。現場力を鍛えねばなりませんね。決して一時的ではなく、懸命にひたむきに挑戦しつづけることが必要ですね。私は現場人ですので、この教えを現場で生かしてまいりたいと思います。団子自体の質も高めてまいります!」

 また、10年来お世話になっているトヨタ自動車の役員の方からは、次のようなお手紙を頂戴しました。

「私がこうして不器用に手紙を書いているのも、私の好きな考え方、好きな旭山動物園の本を送っていただいた、まさに私の“ツボ”を押されたからです」

 そして、この手紙の最後はこう締め括ってありました。

「今、いろいろと心配をおかけしていますが、豊田社長は誰よりも車が好きで愛情を注ぎこんでいます。必ずトヨタはもっと強くなって再生します。ご安心下さい」

 旭山動物園とトヨタ。業種も、規模もまったく異なる、一見何の関係もないと思われる二つの組織ですが、トヨタは自分たちが忘れかけてしまっている“何か”をこの動物園に見出しているのかもしれません。

[今週の出会い]

 ミサワホームの東海建生常務執行役員、道官陽一郎執行役員、大日本印刷の塚田正樹取締役との会食後の記念ショット。(みんな相当出来上がっています!)ご馳走になったのは四谷三丁目の裏筋にある東海さん行きつけの和食のお店。(一緒に写っているのが美麗な若女将です)“隠れ家”なので店名などはご紹介できませんが、その味は絶品!ミサワホームにはボルネオ保全トラストの自販機設置などで大変お世話になっています。

[今週のシナ]

 小学生たちに“いじられる”シナ。散歩中にシナを見つけると、「シナ~!」と大声で叫んで、猛ダッシュで駆け寄ってきます。シナも最初は尻尾をフリフリして喜びますが、あまりにもしつこく“いじられる”ので、途中から腰が引けてきます。さすがのシナもエネルギー有り余る小学生たちにはたじたじです。