Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

各種メディア、各種媒体での掲載とその概要を紹介します

一流のビジネスパーソンを目指す人のための総合型ビジネススクール「カラーズ・ビジネス・カレッジ」を紹介します

「現場学」を研究し、強い現場づくりを目指す遠藤研究室を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.424 介護の未来

[2019-03-25]

 先日、介護大手SOMPOケアが2月5日に開設した「Future Care Lab in Japan」を見学してきました。この施設は、「人間」と「テクノロジー」の共生による新しい介護のあり方を実証実験する研究所です。
 よく知られているように、介護の現場では人手不足がますます深刻化しています。
 要介護(要支援)認定者数は、2000年の約250万人から2015年には620万人に増え、2025年には800万人に達する見込みです。この25年間に3倍以上に増えるのです。
 その一方で、2025年には245万人の介護人材が必要とされるにもかかわらず、今のままでは211万人ほどしか確保できない見通しです。30万人以上もの需給ギャップが生まれてしまいます。
 そうしたギャップを解消するためのひとつの手段として、新たなテクノロジーの活用が求められています。新しい技術を介護の現場に適用し、介護人材の仕事を支援したり、代替することによって、人は人にしかできない仕事に注力させる。その可能性を徹底的に追求し、検証するのがこのラボの目的です。

 具体的には、①介護サービスの生産性向上、②介護職の処遇および働きやすさの向上、③ご利用者さまのQOL向上の3点を目的として掲げています。
 介護現場で使えそうな新しいテクノロジーは次々に生まれています。しかし、それらの多くは、メーカーが供給者目線、シーズドリブンで開発されたものです。
 一つひとつを見れば、よくできているのですが、あくまでも単品、単発の発想にとどまっています。それらの技術を組み合わせ、統合することによって、介護の世界はどう変わるのか、それを現場目線、入居者目線で考えようというのがこのラボの最大のミッションです。
 ラボには実際の介護施設と同じ住居スペースが設置され、様々なテクノロジーの具体的なアプリケーションが体感できます。自動寝返り支援ベッド、入浴中の見守りセンサー、睡眠中の体勢を測定する眠りSCAN、自動運転車いすなど、「確かにこうした技術があれば、介護の現場は楽になるし、入居者の負担も軽減されるな」と感じることができます。
 日本人は帰納法的な発想、アプローチが得意だと言われます。もちろんそれはそれで独自の強みではあるのですが、時に大きな目的感、全体感がないまま、部分最適、小さな変化で終わってしまいがちであるのも現実です。

 今の時代は、大きな目的や全体のコンセプト、未来の理想像を掲げながら、そこに近づけていくという演繹法的なアプローチが求められています。
 介護の現場も同様です。「未来の介護の現場はこうなる!」という未来像を描きながら、それをひとつひとつ実現させていくことが大事です。多様な介護サービスを提供しているSOMPOケアが、数多くのメーカーと連携し、夢や理想を共有しながら、パートナーシップを組む。これからの日本に求められているひとつのモデルの実験場でもあります。

[今週の出会い]

 札幌出張の帰りに立ち寄る場所があります。新千歳空港の奥にあるカウンターバーです。空港内のお店ですが、本格的なお酒が気軽に楽しめます。
 お薦めは数量限定の流氷ハイボール。オホーツク海の流氷を浮かべた特別な味わい。そして2杯目はモヒート。これも本物の味!最近は航空会社のラウンジには寄らずに、ここで束の間の優雅な時間を楽しんでいます。

[今週のシナ]

 初春の陽射しをたっぷり浴びながら、散歩を楽しんでいるシナです。陽射しが少し眩しそう・・・。花粉症はしんどいですが、至福のひとときです。