Isao Endo  遠藤 功

遠藤功が「現場力」を語るコラムをお届けします

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早稲田大学大学院教授、株式会社ローランド・ベルガー会長を務める遠藤功のプロフィールを紹介します

講演活動についての概要を紹介します

『現場力を鍛える』『見える化』など、遠藤功の書籍を紹介します

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連載コラム「現場通信」

Weekly現場通信 vol.14 10周年

[2010-04-12]

私がローランド・ベルガー(RB)東京オフィスの社長に就任したのは2000年5月1日。丸10年が経ちました。今振り返ると、この10年はあっと言う間だった気がします。
 私が入社した時の東京オフィスのコンサルタントの数はわずか5人。秘書や経理などのサポーティングスタッフを入れても10名程度の「吹けば飛ぶような」弱小オフィスでした。
 当時、私は米国系のコンサルティング会社であるブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現在のブーズ・アンド・カンパニー)で、パートナーとしてそれなりにハッピーに過ごしていました。たまたま旧知のヘッドハンターの方が「ローランド・ベルガーが日本のトップを探している。近々創業者が来日するので、会ってみないか?」と声を掛けてきたのです。
 私はRBの名前は知っていましたが、日本ではけっしてメジャーな存在ではなかったので、まったくその気はありませんでした。ただ、創業者であり、私と同様にボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に在籍していたことのあるローランド・ベルガー氏に会うことは貴重な体験だと思い、気楽な気持ちで会いに出かけました。
 今でも覚えていますが、初めて会ったのはホテルオークラのフレンチレストランでした。その時の会食は3時間にも及びました。彼はなぜ欧州に戻ってRBを立ち上げたのか、これからどういう会社にしたいのか、東京オフィスがいかに重要なのかを熱く語りました。
 私の正直な感想は、「この人と働くのはめちゃくちゃ面白そうだ。でも、うまくいくかな?」というものでした。自分自身に社長が務まるという自信もありませんでしたし、どうやったら成功させることができるのかのシナリオもまったく浮かんできませんでした。
 数日後、ドイツに帰る前にもう一度会いたいと連絡があり、ホテルオークラで朝食を一緒にとりました。彼はどうも私を気にいってくれたようで、「お前と一緒に東京オフィスをRe-Startしたい。短期的な成果は求めないし、どんな援助でもする」と明言してくれました。
 転職の決断をするまでに何人かの先輩コンサルタントに相談しましたが、「そんな火中の栗を拾うようなことはやめろ」「お前の経歴に傷がつくぞ」とも言われました。もちろん皆さん私のことを気遣って言ってくれているのはよく理解できました。客観的に見れば「無謀」ととるのもやむをえません。
 ただ、私はベルガーさんと会った時に感じた自分の「直観」にかけたいと思っていました。周りから見ると「無謀」だと思えることだからこそやる価値があるのではと考えるようになっていったのです。
そして、最初の出会いから約1年が経ち、私は2000年5月1日にRBに入社したのです。


それから10年。RB東京オフィスはコンサルタント、サポーティングスタッフ合わせ約100名の陣容へと拡大しました。規模的に見れば、10倍です。さらに、市場での認知度やブランド力も大きく高まりました。
その間、ベルガーさんは私との「約束」をずっと守ってくれています。立ち上げの頃、赤字から脱却できず、苦労していた時も「焦るな」「黒字化が先に延びてもいいから、必要な投資をしろ」と励まし続けてくれました。約束していた黒字化が達成できそうもなく、退任覚悟でベルガーさんにメールで報告すると、自筆のFaxが直ちに送られてきました。そこにはこう書いてありました。「You have my full confidence. I trust you!」
「信頼」そして「忍耐」。この二つこそベルガーさんが私にくれた最大のサポートです。
10年前に私と共にリスクをとって、移ってくれたのが、水留浩一さん。アクセンチュア時代の私の後輩です。彼は私の後釜としてRB東京オフィスの代表を務めてくれ、昨年企業再生支援機構の常務取締役に転身しました。東京オフィスが成長するだけでなく、RBの「卒業生」が広く活躍してくれることが私にとって何より嬉しいことです。

先週、ベルガーさんが来日し、東京オフィス主催の歓迎会を催しました。その席で、私の10周年を祝うセレモニーもやっていただきました。ありがたいかぎりです。
まず、RB東京オフィスの元パートナーで、現在はアドバイザーを務めてくれている丹治和男さんによるマジックショー!これはRB東京のイベントでは欠かすことのできない“名物出し物”!生きている鳩が出てきたり、消えたり内容は本格的ですが、なぜか吹き出してしまう素人っぽい愛嬌があります。
そして、10周年の記念品としてRBのロゴが入ったバカラのワイングラスと約300枚の写真でコラージュされた私のポートレートを贈っていただきました。RB東京のスタッフの皆さんやベルガーさん、私の書籍類、そして愛犬シナの写真などで埋め尽くされた逸品です。まさに一生モノのお宝です!

ここでお知らせです。NHKラジオの「ラジオあさいちばん」(ラジオ第一)の「ビジネス展望」というコーナーに4月から毎月一度出演することになりました。時間帯がAM6:45~6:53頃と朝早いのですが、放送後にNHKラジオのホームページから聴くことができますので、お時間のある時にお聴きください。1回目の放送は4月22日(木)です。

[今週の出会い]

アサヒ飲料・岡田正昭代表取締役会長、大蔵屋商事・植木康守取締役との会食後の記念ショット。岡田会長は早稲田大学商学部の大先輩。アサヒビール時代、「スーパードライ」を金看板に育て上げた営業のプロです。植木さんは早稲田大学ビジネススクールの私のゼミの卒業生です。岡田会長が熱狂的なファンである横浜ベイスターズ(岡田会長は大胆にも3位のAクラス入りを予想!)の話や、最近の政治動向、旭山動物園の話などで盛り上がりました。

[今週のシナ]

桜の花びらが散りばめられた公園でたたずむシナ。朝のやさしい風で桜が舞う中を散歩しています。寒い冬の頃に比べると、シナも寝起きがいいようで、あまりぐずらずに散歩にでかけるようになりました。

(おまけ)さくら5景

RB東京オフィスのあるアークヒルズの裏手にある桜坂の夜桜






武道館を望む北の丸の夕景


ベルガーさんと週末を楽しんだ箱根・桜庵の夜桜

箱根湯本・早雲寺の桜

自宅そばの桜のアーチ(満開時は車が渋滞します)